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発達障害児を育てる際のヒントに!読書記録『さかなクンの一魚一会』

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子どものころから魚が大好きだったさかなクンは、東京海洋大学の准教授になり、魚のことを教えたり魚の絵をかいたり研究したり講演したりと、「好きなことで生きていく」ことに大成功しています。さかなクンの好きなことへの執着の仕方は、発達障害っぽさを感じますが、そんな彼が生き生きと活躍するまでの過程で、母親のサポートが偉大だったことが、『さかなクンの一魚一会』を読んでよくわかりました。さかなクンのお母さんの育児は、発達障害っぽさのある子どもの育て方に大きなヒントになると思いましたので、ポイントを紹介してみます。

『さかなクンの一魚一会』の詳細

タイトル:『さかなクンの一魚一会』

著者:さかなクン

出版社:講談社

さかなクンの母のすごい育児

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好きなことにはとことん付き合う

  • 幼児期、トラックマニアだったさかなクンをごみ収集車の車庫へ連れて行く
  • 学童期、毎週日曜さかなクンを水族館へ連れていく
  • 魚料理を毎日のように食卓に出す
  • 学校でカブトガニを飼うための水槽を母親が購入してやる
  • テレビチャンピオンで優勝するため、様々な魚料理を作ってやる

まずこの本を読んで、さかなクンのお母さんが彼のやりたいことにどこまでも付き合っているところに驚きを覚えました。私自身に置き換えて考えると、娘が何かを好きでもそこまで子どもの趣味に付き合ってやれていないなあと反省したり、「いや毎週水族館なんて行けないだろ!」と突っ込みを入れたくなったり。ただただすごいなあと感心しました。お母さん自身の趣味が『息子の趣味に付き合うこと』でもない限り不可能なレベルでの支援のようにも感じます。子どもが複数いれば、一人の子どもの趣味だけに母親が突進するのも不可能だろうと思ったりもします(私が上の子の趣味に合わせて美術館で1つの絵を1時間も眺めていたら、下の子が飽きてキレ出すこと間違いなし笑)。とにかくこの恵まれた環境でさかなクンはのびのび育ち、好きなことを胸を張って好きといえるように育っていったのでしょう。

好きなことを制限せずに突き進ませる

  • 水槽で畳が沈むのも構わず、たくさんの魚を飼うことを認める
  • 成績が振るわなくともとがめず好きなことに没頭させておく
  • 先生からの指導も気にせず、さかなクンの趣味への没頭を見守る
  • ひどい異臭を放つ死んだカブトガニのはく製作りもとがめない
  • さかなクンが進路に迷えば、必ず本人の思い通りにやらせる

家の畳が腐っても気にせず、学校の先生に注意を受けても意に介さず、ただただ息子を信じる母親の姿勢は神がかっていると感じました。私は外からの評価や意見にとても左右されやすいので、さかなクンの母親の信念を持った育児はすごいと思います。自分の育児に自信を持ち、ただひたすら子どもを信じていく、というのは簡単なようでとても難しいことです。

全てを自分でやらせ行動に責任を持たせる

  • 料理屋で生きたウマヅラハギを買うとき、さかなクン自身に注文をさせる→説明不足で捌かれてしまう
  • さかなクンが飼うつもりで釣ってきたタコが、熱い場所で放置したせいで死ぬが、母親は何も口を出さず見守る

さかなクンの行動の結果、悲しいことが起きてしまうということが予測される場合でも、母親は彼自身にすべてを任せてやらせていきました。これは、さかなクンが自分の行動の結果を引き受けられる人間に成長するうえでとても重要な過程だったと感じました。

発達障害の娘は小さなことで不安定を引き起こしやすいので、ついつい私は手出し口出しをしてその場の被害を最小限にとどめようとしがちですが、将来を見据えて考えれば、本人に失敗をさせて、結果を引き受ける力を育てていくことが重要なのだと改めて感じました

最後に

『さかなクンの一魚一会』という本は非常に面白かったです。彼の素直でまっすぐな人柄がよく伝わってきました。そして、そのまっすぐで魅力的な彼を育てた母親の様子がこの本の中にあちこち登場してきて、私が今後自閉症の長女とともに生きていく上での参考になりました。できそうなところから彼女の育児方法をまねしていこうかなと検討中です。