洋書初心者が英語学習用に洋書を選ぶときいちばんに大切なことは?
好きな海外の小説をいつかは原書で読んでみたい方や、洋書を使って楽しみながら英語学習をしたい方、きっとたくさんいると思います。でも、いざ洋書を読もうとしたときに、どの本を選べばいいのか、自分の英語力できちんと読み通すことができるのか等、不安も涌いてくるかと思います。私の場合は、とりあえず洋書にチャレンジしては読み通せず、を繰り返しておりました。そんな中で、ある程度長い洋書を読み通すためにはとても重要なポイントがあることに気づきました。今回は、初心者向けの洋書選びで大切なことをお伝えしていきます。
あなたにとって「引力」の働く本を選ぶ
小説などを読んでいるとき、ついついストーリーに引き込まれて読むことをやめられずに、寝る時間を忘れて最後まで読み通してしまったような経験はありませんか。このような「面白い!もっと読みたい!」という感覚を、本の「引力」と呼ぶことにします。
何冊か洋書の読破に失敗したのち、初めて最後まで読み通すことに成功できた本は、はっきりこの「引力」が働いた本でした。英語であることや語彙が自分のレベルを超えていたことなどの問題点をクリアして「もっと読みたい!続きが気になる!」と思わせてくれた本だからこそ、勢いで最後まで読み切ることができたのです。
『Harry Potter and the Cursed Child(ハリーポッターと呪いの子)』が、私の記念すべき初読破洋書(絵本を除く)だったのですが、この作品に関しては「英語を読むのめんどくさいなあ、シンドイなあ」といった感覚が全く起こらず、ストーリーに没頭しながら読み通すことができました。この本の感想や難易度については、下記リンクをご参照ください。
今まで何冊かチャレンジしては失敗していた私が、大好きなハリーポッターシリーズの『Harry Potter and the Cursed Child(ハリーポッターと呪いの子)』なら楽しく読み通すことができた!というのは、明らかに「引力」が働いていたからでした。
実はハリーポッターと呪いの子にチャレンジする前に、人気の児童書である『A to Z Mysteries the Absent Author』に取り掛かって、結局読み通せなかった経験をしています。この本は6~9歳向けのやさしい英語で書かれた本なのに、最後まで読めずに挫折してしまったのでした。その時は「英語力不足かな?私は根性がないなぁ…。」と思ったりしましたが、今思い返せば読み通せなかったいちばんの理由は「ストーリーがあまり面白くなかった」からです。ハリーポッターでグイグイ働いた「引力」は、この本を読んでいるときには一切働かなかったのです。『A to Z Mysteries the Absent Author』の詳細は、下記リンクをご参照ください。
日本語の小説ならば、私は好きなものならガンガン読めるし、相性の悪いものは途中でやめたくなります。それは英語であっても全く一緒だ!というとても当たり前のことを、『Harry Potter and the Cursed Child(ハリーポッターと呪いの子)』を読むことで気づくことができました。
引力のある本を見つける方法
読んでみたい本を見つける
本を最後まで読み通すには、なんといっても自分に「引力」をはたらかせてくれる本を選ぶことが重要です。興味を持てそうな本を選びましょう。本を選ぶ方法として、私が今までに行った方法をお伝えします。
- 洋書選びのサイトで「内容」が自分に合いそうなものを探す
- 洋書の書評サイト「Goodreads」で好みに合いそうなものを探す
数多くある洋書選びのサイトなどから、難易度だけでなく「内容」が自分に合いそうなものを探すとよいと思います。
また、私は英語で書評を読めるようになってきたら、Goodreadsという書評の集まったサイト(読書メーターの英語版のようなもの)から読んでみたい本を見つけるようにしました。
とりあえず読んでみる
本を手に入れて、とりあえず読み始めてみましょう。そこで、ある程度意味を理解して読み進めていけるか自己判断するとよいでしょう。読んでいくうちに「面白い!もっと読みたい!」が来たら、それはあなたに「引力」の働く本です!おめでとうございます。
しかし、引力の働かない本もたくさんあることも事実です。
少し読んで難しければもっと簡単な本を
- 辞書を引く回数が1ページで10回以上
- 辞書を引いてもあまり意味が理解できない
大雑把ですが、上記のようなときにはあまり無理して読み続けずに、読みやすい本に切り替えることをおすすめします。結果的にその方が、近道で洋書を楽しめるようになるからです。
読み続ける気持ちがわいてこないなら思い切って別な本を
「その本がつまらないなら別な本を読んでみては?」と思い切って提言します!
私自身、最初は「つまらないから途中で投げ出したらインチキすぎる。きちんと読み終わるまで頑張らなくちゃ。」と思いながらも、面白くない本を放置したまま次の本を読むこともせず、結果的に洋書を読むことを放棄してしまったことが何度かあります。しかし、よく考えてみてください。
「つまらないからその本を読み進められない。」という状況になったとき、「そのまま洋書を読まない」のと「別の面白そうな洋書を読む」なら、別な本を読み始める方が、結果的には英語をたくさん読むことになるはずです。つまらない本を読みとおす根性のある方はもちろんそのまま頑張っていただければよいと思いますが、私のようにそこで本を読む手を止めてしまうくらいなら、思い切って次の魅力のありそうな本に手を出した方が、最終的に洋書を読む英語力を手に入れられる可能性が高いことは間違いありません。
大事なのは「面白い!もっと読みたい!」思う気持ち
「読書」は趣味の一つとして挙げられますね。基本的に読書は好きだからすることです(もちろん好き嫌いの問題でなく、読まなければならない場面があることは間違いないですが)。楽しいから読むし、読んでいくことでどんどん読解力がついていく、そういうものだと思います。
洋書だって同じです。我慢したり耐えて頑張らなくとも、「楽しいな~」とすいすい読めるものから読んで徐々に難易度を上げていけば、英語の読解力はきっと上がっていくのではないかと思っています。そして読み続けていけるのは、本の引力に引っ張られて「もっと読みたい!」と思う気持ちが引き出されるからではないかと思います。
面白さを感じるための基礎英語力は必要
洋書を「面白い」と感じるには、それなりの英語力は必要だということは事実です。
私がアメリカに来た5年前くらいには、子ども用の絵本さえ意味の分からない単語だらけで辞書を引いてばかりでした。そのころの力では、『Harry Potter and the Cursed Child(ハリーポッターと呪いの子)』なんて間違いなく読めなかったはずです。子どもたちに英語の絵本を、つたない英語とあやしい日本語訳で読んでやりながら、少しずつ英語力を身に着けていきました。
洋書を実際に読み始めて「手も足も出ない」と感じるようならば、小さな子向けの絵本から始めるのはとても効果的だと思います。このブログで紹介している絵本たちは、娘たちだけでなく私の英語力を伸ばすためにとても役に立ちました。
さっそく最初の1冊を
以上、洋書を選ぶときに大切だと思うことを述べてみました。自分が好きそうな本をとりあえず1冊手に入れて、読み始めてはいかがですか?