ただのみょみょぶろぐ

アメリカ生活、英語学習、発達障害、ゲームなどなど。

スポンサーリンク

ハルオサンの『警察官をクビになった話』の感想を

f:id:tadanomyomyo1:20181031024210p:plain

Twitterを見ていて、リツイートからハルオサンのブログを知りました。リンクに飛んでハルオサンの描いた漫画『警察官をクビになった話』を読み、大きな衝撃を受けたので、感想を書いてみることにしました。

ハルオサンのブログの元記事はこちらです!

www.keikubi.com

 ハルオサンとブログ『警察官クビになってから』の概要

ハルオサンは18歳の時に警察官として採用されました。警察学校に入学したのですが、その後半年でクビになってしまいます。それまでの経過とその後の生活を、約150ページの漫画として上記のブログに掲載されています。内容はぜひともブログを訪れて確認してほしいです。

彼の経験した壮絶な体験は、漫画を通してのぞき込むだけでつらいものがありました。今はブロガーとして大成功されているようで、心からおめでとう!と思いましたし、ブログ自体がめっちゃ面白くてその才能にあこがれます。ブログを始めたばかりの私ですが、目標のブロガーはハルオサンです

警察学校という場の恐ろしさ

この漫画を読んで、警察学校はとんでもない場所だと思いました。警察学校のヤバさ・怖さを、いくつかに分けて考えてみます。

闇1 連帯責任による悪意の増幅

漫画によればハルオサンの欠点は

「ひとづきあいがにがて。ものをよくなくす。わすれる。」

だそうですが、それらが原因で彼は他の生徒より多くのミスをします。

警察学校は『連帯責任』を採用していて、ハルオサンのミス学校の生徒たち全員が一緒に罰を受けることになります。

ハルオサンのせいで腕立て30回させられた!」なんてことが頻繁に繰り返されると、同期は徐々にハルオサンに対して苛立ちや不満をため込んでいくことになります。連帯責任がなければ、ムダなヘイトをためずに済んだのに。。。

「連帯責任」は、ミスの多い人を孤立させ追い込んでいくものだと感じました。「連帯責任で迷惑をかけるから気をつけなきゃ!」というちょっとした意識で改善できる人には有効な手段かもしれませんが。。。もともとの性質や能力の問題で失敗しがちな人は、連帯責任にされたところで簡単にミスを減らせるものではないのです。

闇2 暴力行為の容認・正当化

 教官は、ハルオサンに対して「警察をやめてくれないか?」と伝えます。それでもハルオサンが辞めずに頑張ります。

そのころから、警察学校の同期たちはハルオサンに暴力を振るい始めます

教官は暴力を振るう同期たちをとがめず、それどころか「お前はなぜ他の同期と仲良くやれないんだ?」とハルオサンを叱ります。さらに恐ろしいことに、教官もハルオサンに暴力行為を行っています。日常的に。

 閉鎖空間の中で、教官の意思(ハルオサンを辞めさせたい)が、同期たちの怒り(ハルオサンに対しての)と絡み合い、ハルオサンへの暴力は正当化されていきます。

どうやら

 警察は、目的遂行のためなら暴力推奨!

なのです。

警察学校でそう躾けられているのです。恐ろしいです。

闇3 民間に比べ、労働者の解雇が難しい?

ハルオサンの警察官への思いはとても強くてまっすぐです。どれだけ教官に「警察を辞めろ」と言われ暴力行為をされても、くじけずに立ち上がります。

これがもし民間企業なら、ハルオサンに「辞めます」と言わせようと努力するのではなく、正当な手順を踏んで解雇を行ったのではないかと思いました。

言葉の暴力・肉体的暴力、連帯責任による周囲からの追い込みを利用してまで本人に「辞めます」と言わせなければ解雇できないシステムが、ハルオサンにより大きなダメージを与えることになってしまったのではないでしょうか?

どんな方法で警察をクビになったとしても、ハルオサンは大きなダメージを受けたでしょう。小さいころからの夢が破れたら、どん底に落ちるのは当然です。しかし彼が職場から一方的に「解雇」されただけならば、のちに10年も続くトラウマを彼は抱えずに済んだのではないのかと、私は思います。「辞めます」と言うまでいたぶられ続けるよりは、健康な状態で警察を辞めることができたのではないのでしょうか

もちろん、熱意と意欲のあるハルオサンがじっくり警察の仕事を学べるような「警察学校」であることが理想なのは間違いないですが。

いじめ・暴力被害ののちのPTSDの深刻さ

ハルオサンが教官や同期に追い込まれ、壊れていく様子がリアルに描かれていました。

  • 目がかすむ
  • 意識があいまい
  • 手足が震える
  • 不眠
  • 嘔吐
  • 一人で笑い出す

などなど・・・。

これが、警察官を辞めてからも、長いこと続きます。ハルオサンの受けた精神的ダメージがいかに悲惨なものなのか、伝わってきました。

警察学校が、人をここまでぶっ壊すようなことをしていいはずがありません。本当に読んでいてゾッとしました。

ハルオサンの特徴は発達障害に似ているのでは?

生まれてすぐに脳の手術を受けたことで、障害といえるかどうかグレーゾーンの不具合があるハルオサンですが、彼の特徴は発達障害に少し似ているのでは?と感じました。

「ひとづきあいがにがて。ものをよくなくす。わすれる。」

漫画に描かれていた上の特徴は、自閉症やADHDの特徴と重なっているように感じました。

私はハルオサンのブログにハマり出したばかりでまだ全部は読めていないのですが、ところどころハルオサンに発達障害っぽさを感じます。人との関係を築くのが苦手なところや、すべきと思ったことはあり得ないくらいの執着心で徹底してやり遂げてしまうところなど、エピソードを読むたびにその傾向があるのかと思いました。

警察学校でのミス多発や同期とうまくいかなかったあたりも、そういった彼の性質が影響していたように見えます。

能力に凸凹のありそうなハルオサンが、いろいろな仕事に就いては努力で苦手を克服していく姿は、ただただすごいと思いました。ハルオサンの努力と勤勉さは常道を逸しています。

無能と夢と適性と

ハルオサンは警察学校で、自分を「無能」と思い込まされました。

しかしたくさんの仕事を経て、現在はブロガーとして大成功をしています。

ハルオサンは超絶な才能あるブロガーです。誰にでもわかるシンプルなことばで、魂の乗った文章を書きます。シンプルなイラストを使いこなしながら、伝えたいことをまっすぐ届けてきます。

ハルオサンの夢は警察官でした。ハルオサンの能力はブロガーにピッタリでした(ハルオサンの能力をより発揮できる仕事が、今後見つかる可能性も大)。

人生は思い通りにはいきません。自分のやりたい仕事と向いている仕事が必ずしも一緒とは限りません。でも、「自分にできることが何もない」と思っている人にも「きっと何か自分に向いた仕事があるのかも!」と、ハルオサンのブログを通して希望が持てそうな気がしました。

ハルオサンのブロガーとしての才能について

ハルオサン自身がどの程度自覚しているのかよくわからないのですが、ハルオサンの才能は本当に飛び抜けています

ブログを書くだけならば誰でも始められるので、ブロガーとしてお金を稼ごうとチャレンジする人は莫大な数になります。でも実際に、ブロガーで生活できるレベルまで稼げる人はどの程度いるのでしょうか?

 

伝わる文章。

伝わる絵。

そこに乗った真っ正直なハルオサンの魂。

 

 めっちゃすぐれた表現力と多彩すぎる人生経験が、ハルオサンのブログをとても豊かにしています。

ハルオサンは今まで異常なほどの苦労をされて大変だったけれど、その経験はブログ上に生き生き表現されていて、魅力いっぱいの作品に仕上がっています。

こんなブログを書きたいなあと思わせてくれました。